星間物質

・星間物質

@中性水素原子の雲(HI雲)

星の母体として期待されたこともある。

水素は宇宙の物質の7割を占める主要成分なのでとくに期待された。

しかし、星の直接の母体としての資格を持っていなかった。

観測の結果

→1立方センチメートルあたり水素原子10個ぐらいと低い

→温度は100Kと高い

つまり、HI雲が自己重力によって収縮して星をつくることは不可能

A暗黒星雲

質量でいえば星間物質の9割を占める

主成分は分子ガス。水素も原子ではなく分子として暗黒星雲のなかに存在する。

星間分子の発見はかなり驚かれた。

星間分子として報告されているの種類は約80種。まだ新しい発見が続いている(1991)

赤色巨星が放出するガスでしか見つからないものや、銀河中心でしか見つからない分子もあり、典型的な暗黒星雲で見つかるのは50種ほど。

観測される星間分子で一番多いのが一酸化炭素CO。

一酸化炭素は分子雲のどこにでも存在するので分布のバロメータとして便利。

(星間分子で一番多いのは水素分子だが基本的には観測できない。高温状態のものだけが観測されている。)

また、めずらしい星間分子としては直線炭素鎖分子。これは宇宙特有のもので、これまで地上ではほとんど知られていなかった。

特に星が生まれていない、静かで純粋な暗黒星雲では、様々な直線炭素鎖分子が生長。

また暗黒星雲はダスト(塵)を含んでいる。

星間分子を考えるときに非常に重要。

分子の結合は紫外線に当たると切れてしまう。

この紫外線を遮ってくれるのがダストである。

つまり紫外線を遮ってくれる暗黒星雲の中でなければ星間分子の形成は不可能。

ダストの起源

赤色巨星や超新星爆発にあると考えられている。

宇宙空間における物質の化学反応

宇宙空間では密度が希薄で低温なため地球のような化学反応はおこらない。

どのようにして宇宙空間で化学反応が起こるか?

まず地球上での一般的な反応である三体衝突と、宇宙での反応である二体衝突を簡単に説明する。

・三体衝突による化学反応

紙がある。周りには空気(酸素)がいっぱいあるが紙が、自然に燃えだすことはない。いったんマッチを近づけると紙は燃えだす。紙が燃えて発生した熱は周囲の空気を暖め、上昇気流となって周囲の空間に逃げていく。この反応は次のような式で書ける。

[紙]+[酸素]+[マッチの熱エネルギー]→[灰、水二酸化炭素など生成物]+[発生したエネルギー]

星間空間には紙や酸素にたとえられる原料はあっても、非常に低温であるため、反応の起爆剤(活性化エネルギー)である[マッチの熱エネルギー]に相当するエネルギーがない。さらに、地球上では紙と酸素が反応したときほかの分子がまわりにたくさん存在するため、発生したエネルギーはそれらの分子が持ち去ってくれる。そこで生成物はもとの紙と酸素に戻らずにすむ。しかし、星間空間は非常に希薄であるため、発生したエネルギーを持ち去ってくれる分子が近くに存在しない。そこで、上の式で示した反応は星間空間では起こらない。
この紙の燃焼に象徴されるように、活性化エネルギーを必要とする反応や三体衝突反応は、実験室や化学工場では一般的であるが、低温低密度の星間空間ではそれらの反応は起こりえない。

・二体衝突

宇宙空間でも化学反応しうる反応。化学反応の代わりに、イオン分子反応が星間空間での分子の生成機構として提唱されている。この反応はその名のとおり、イオンと中性の分子が反応する。イオンの近くに中性の分子が近づくと、イオンの電場のために中性の分子が引き寄せられ、衝突し、反応が起こる。イオンが自分の電荷で分子を引き寄せるため、密度が薄く分子同士の出会いの少ない星間空間でも効率よく反応が進む。しかし、ここでイオンと分子が出会っても、マッチの熱エネルギーに相当する活性化エネルギーを必要とするイオンと分子の組み合わせでは反応しないで、活性化エネルギーを必要としないイオンと分子の組み合わせだけが反応する。最後に発生したエネルギーは、いま考えているイオン分子反応をA+B→C+D とすると、反応によって生成したCとDが飛び散っていく運動エネルギーとして消費される。このようにして、反応が元に戻ってしまうことなく進行できる。

しかし、この反応は一年から一万年に一回というすごくスローペースである。

                                                                                 担当:スギ


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