
ブラックホールとワームホール
ブラックホールとは?
ブラックホールとは、あまりにも重力が強いため光さえも外に出ていくことができない時空の領域のことです。ブラックホールの中心には「特異点」と呼ばれる密度無限大の点があります。ブラックホールに吸い込まれたすべての物質が行き着く点が、この特異点です。特異点は時空の果てであり、あらゆる物理法則、アインシュタインの一般相対性理論でさえも成り立ちません。
ブラックホールの存在には脱出速度が関係してくる。
脱出速度・・・物体が天体の重力を振り切って無限の彼方へ飛び去ることができる速度。 ※地球の脱出速度は11,2km/s
天体の質量が大きいほど、また同じ質量の天体なら半径が小さいほど、脱出速度は大きくなります。そして、脱出速度が光に等しくなる天体が存在します。ということは、光でさえ脱出できないことになり、その天体は目に見えないということになります。
特異点のまわりも重力がとても強い空間であり、特異点からある半径のところにも光でさえ外に出られなくなる面があります。この面を「事象の地平面」と呼びます。ブラックホールとは、この事象の地平面で囲まれた時空の領域のことをいいます。
ブラックホールは事象の地平面に囲まれていて、特異点はその中心に存在しています。そのため、特異点は外の世界には何の影響もおよぼしません。また、外の世界からブラックホールの内部を観察することはできません。
ブラックホールは、重力が非常に強くはたらいている場所です。したがって、時間が受ける影響も非常に大きくなります。ブラックホールに到着した人は、遠くから見ると完全に停止しているように見えます。これはブラックホールの事象の地平面付近の時間の進み方が、遠方と無限大に違っているからです。しかし、ブラックホールに落ちていく人にとっては、時間は正常に進み、あっという間に事象の地平面を横切ってしまいます。
ブラックホールはどのようにしてできるか?
星の一生の理論によれば、太陽の質量の約8倍以上の重い星は、その一生の最後に核反応が起こると、巨大な重力を支える力がなくなり、星の中心に向かってつぶれます。星の崩壊は中心核のところで止まり、超新星爆発を起こします。質量のほとんどは、宇宙空間に飛び散り、中性子の多い中心核が残ります。その核は、そのまま中性子星になる場合もあるが残された中心核の質量が太陽の質量の2倍以上になれば、中心核もその質量を支えられなくなり、星の中心に向かって重力崩壊を起こします。こうしてブラックホールができます。
巨大なブラックホール
質量が太陽の6倍もあるはくちょう座X-1やさそり座V861、宇宙科学研究所の衛星が発見したきりん座X0331+53、大マゼラン星雲にあるLMC・X3などが大質量のブラックホールの有力候補といわれています。また、銀河の中心核では、ハッブル宇宙望遠鏡などの観測によりアンドロメダ座のM32、おとめ座のM87などの巨大なブラックホールがあるとされ、M87については、太陽質量の26億倍という超大質量のものであるといわれています。また、国立天文台は1995年、銀河M106に太陽質量の3600万倍の巨大ブラックホールを発見したと発表しています。
ブラックホールは寿命を迎えると爆発して消えていきます。しかし、最も大きなブラックホールがその寿命を終えたとき、宇宙は何も存在しない真っ暗な空間となり、ただ膨張を続けてゆくことになるだろうと考えられています・・・。
ワームホールとブラックホールの関係
ワームホールとは宇宙と宇宙をつなぐトンネルであると考えられています。ブラックホールからホワイトホールへ、ワームホールを通って移動するという概念があります。ワームホールは、一方通行でその入り口がブラックホールで、出口がホワイトホールであるというわけで、ブラックホールから入ってホワイトホールへ出てくるということが可能ならば遠距離の宇宙旅行も可能であるということになります。しかし、ブラックホールへ入っても特異点に触れずにワームホールへ入れることはないので、仮にブラックホールがワームホールへの入り口であったとしても無理でしょう。特異点に入ると、もはや脱出不可能であるというのが現在のブラックホールに対する考え方です。また、ワームホールを抜けて他の宇宙へ移動したとして、戻るにはどうすればいいのでしょうか。ワームホールは一方通行です・・・。
担当:ガム